その警告、院内のパソコンでは気づけません
ホームページのアドレスが「http://」のまま——それだけで、患者さんのブラウザには「保護されていない通信」「安全ではありません」という警告が表示されます。ChromeでもSafariでも、アドレスバーに常時表示される仕様です。
厄介なのは、この警告が「見慣れた院内のパソコン」では意識されにくいことです。毎日見ているサイトの警告は風景になってしまいます。しかし初めて訪れる患者さんにとっては、医療機関のページに「安全ではない」と書いてある状態です。診療の質とは無関係でも、第一印象への影響は避けられません。
httpのままで実際に起きるエラー・不具合
警告表示だけではありません。httpのまま運用しているサイトでは、次のような問題が実際に発生します。
| 起きること | 原因 | 患者さんへの影響 |
|---|---|---|
| 「保護されていない通信」表示 | 通信が暗号化されていない | 不安を与え、離脱の一因になる |
| フォーム入力時の強い警告 | 入力内容が平文で送信されるため、ブラウザが警告を強化 | 問い合わせ・予約フォームの利用をためらわせる |
| 通信内容の盗み見・改ざんリスク | 暗号化されていない通信は経路上で傍受されうる | 公共Wi-Fi利用時などに入力内容が保護されない |
| ブラウザ新機能が使えない | 位置情報の取得などはhttps必須 | 「現在地からのルート案内」などが動かない |
| 検索順位で不利 | Googleはhttpsを評価要素にしている | 「地域名+診療科」検索で見つかりにくくなる |
「https化したのに警告が消えない」——混合コンテンツという落とし穴
SSL対応をしたはずなのに鍵マークが表示されない、というご相談も少なくありません。原因の多くは「混合コンテンツ(Mixed Content)」です。
ページ自体はhttpsになっていても、ページ内で読み込んでいる画像・スタイルシート・スクリプトのアドレスが「http://」のまま残っていると、ブラウザは「安全なページに安全でない部品が混ざっている」と判断します。軽い場合は鍵マークが出ないだけですが、スクリプト類はブラウザにブロックされ、地図が表示されない・メニューが動かないといった実害につながることもあります。
つまりhttps化は「証明書を入れて終わり」ではなく、サイトの中身の総点検までがワンセットです。
https化(SSL化)で実際にやること
作業の中身はシンプルで、一般的には次の5ステップです。
- 1. SSL証明書の取得・設定 — 現在は無料の証明書(Let's Encrypt等)が広く使われており、証明書自体の費用がかからないケースも多くあります
- 2. サイト内アドレスの書き換え — 画像やリンクの「http://」参照を修正(混合コンテンツ対策)
- 3. 転送(リダイレクト)設定 — 旧アドレスへのアクセスを新アドレスへ自動転送。検索評価の引き継ぎに必須です
- 4. 動作確認 — 全ページで鍵マークが表示されるか、フォーム・地図が動くかを確認
- 5. 周辺サービスの更新 — Googleビジネスプロフィールやサーチコンソールに登録されたアドレスの更新
一般的なクリニックサイトの規模なら、大がかりな工事ではありません。リニューアルほどの費用も期間もかからない、単体で完結する作業です。
古いサーバーの場合はリニューアルと一緒に
まれに、契約中のサーバーが古くSSL対応自体が難しいケースがあります。この場合はサーバー移転が必要になるため、どうせ引っ越すなら——とホームページのリニューアルとあわせて行うのが合理的です。httpのままのサイトはスマホ対応にも課題を抱えていることが多く、土台ごと新しくする方が総費用を抑えられることも少なくありません。
まとめ
「保護されていない通信」の警告は、患者さん全員に見えています。https化は、費用も期間も比較的小さく、効果(警告の解消・フォームの安心・検索評価)がはっきりしている、優先度の高い対応です。
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