この記事でわかること
- 多くのクリニックには専任のIT担当がおらず、院長先生が兼任している
- 「自分でやる」「大手に丸投げ」「知人に頼む」にはそれぞれ限界がある
- 月額制の「IT顧問」=ITのかかりつけという選択肢がある
- 選ぶ基準は、医療現場の理解・レスポンスの速さ・中立性の3つ
クリニックの「IT担当がいない」問題
「先生、Wi-Fiが繋がりません」「プリンタが動かないんですけど……」
診療中にスタッフからこうした相談を受けて、院長先生ご自身が対応しているクリニックは少なくありません。
電子カルテの更新やパソコンの不具合、ネットワークのトラブルなど、日常的に起きる IT の問題に、専任の担当者がいないまま対応しているのが多くのクリニックの実情です。
大きな病院であれば「情報システム部」がありますが、クリニックの規模ではそうしたポジションを設ける余裕はなかなかありません。結果として、院長先生が診療の合間に対応したり、スタッフの中で「少し詳しい人」が兼任で対応したりしているのが現実です。
診療の時間を IT のトラブル対応に取られる状態が続くと、院長先生にもクリニック全体にも負担になります。
よくある3つのパターンとその課題
ITの相談先がはっきりしないとき、多くのクリニックは以下の3つのパターンのいずれかに当てはまります。それぞれにメリットはありますが、課題もあります。
| 相談先 | 費用 | 医療ITの専門性 | 継続性・安定性 |
|---|---|---|---|
| A. 院長先生ご自身 | 0円(時間コスト大) | 先生の知識次第 | 診療との両立に限界 |
| B. 大手ベンダー | 高め | 自社製品が中心 | 担当交代・過剰提案のリスク |
| C. 知り合いの詳しい人 | 曖昧になりがち | まちまち | 個人依存で不安定 |
| IT顧問 | 月額定額 | 医療特化なら高い | 契約に基づき安定 |
パターンA:院長先生が全部自分でやる
もともとパソコンやITに詳しい先生の場合、ご自身で調べて対応されるケースがあります。確かにコストはかかりませんが、調べものや設定に予想以上の時間がかかることも少なくありません。
診療後や休日に調べものや機器の設定をすることになり、医師の専門とは別の分野に時間を使うことになります。
また、ITは日々進化している分野です。セキュリティ対策やシステムの選定において、最新の情報をキャッチアップし続けるのは、診療と並行しながらでは大変な負担になります。
パターンB:大手ベンダーに丸投げする
電子カルテメーカーや大手IT企業のサポート契約を利用する方法です。安心感はありますが、クリニック規模には過剰なサービスやスペックを提案されることがあります。
たとえば、スタッフ5人のクリニックに大企業向けのネットワーク機器を導入したり、使いこなせない高額なシステムを契約したりするケースです。「業者の提案のまま契約したが、本当に必要だったのか分からない」という声は、開業医の先生方からよく聞きます。
また、大手ベンダーの場合、ちょっとした質問でもサポート窓口に電話して長時間待たされる、担当者がコロコロ変わって状況を一から説明し直す必要がある、といった不満もよく耳にします。
パターンC:知り合いの「詳しい人」に頼む
ご友人や知人の中にITに詳しい方がいて、困ったときに相談しているというケースもあります。気軽に頼める反面、いくつかのリスクがあります。
その方がいつでも対応できるとは限りませんし、責任の範囲も曖昧になりがちです。「前に設定してもらったけど、何をどう設定したか誰もわからない」という状態になると、後任の対応が難しくなります。
善意で対応してもらっている場合は、お礼や費用の相談もしにくくなります。個人に頼る体制は、長く続けるには不安定です。
解決策:IT顧問という選択肢
こうした課題を解決する方法のひとつが、IT顧問(ITコンサルタント)を活用することです。
IT顧問とは、クリニックのIT環境全体を把握した上で、必要な対応やアドバイスを継続的に提供する専門家のことです。「かかりつけ医」のIT版、とイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
月額制でいつでも相談できる安心感
IT顧問の多くは月額制のサービスです。「トラブルが起きたら都度見積もり」ではなく、月々の定額で気軽に相談できるため、「こんなこと聞いていいのかな?」と遠慮する必要がありません。
小さな疑問のうちに相談できれば、大きなトラブルに発展する前に対処できます。
機器の選定や業者との打ち合わせに同席
パソコンやプリンタの選定、インターネット回線の契約、電子カルテの導入検討などの場面で、IT 顧問が業者との打ち合わせに同席し、見積もりや提案の内容を確認します。
契約や価格を決めるのは医療機関ですが、慣れない分野の判断を一人で抱えずに済み、必要なものを適正な価格で導入しやすくなります。
中立的な立場からの提案
IT顧問は、特定のメーカーや製品を販売する立場ではありません。そのため、クリニックにとって本当に必要なものだけを、中立的な視点で提案してくれます。
「この機器は本当に必要か」「もっと安い方法はないか」といった質問に、売る側ではない立場から答えられるのが利点です。
IT顧問を選ぶときのポイント
IT顧問を検討される際は、以下のポイントを確認されることをおすすめします。
医療現場の業務フローを理解しているか
一般企業とクリニックでは、ITの使われ方が異なります。電子カルテ、レセプトコンピュータ(診療報酬の計算を行う機器)、医療画像システムなど、医療特有のシステムについて理解があるかどうかは重要なポイントです。
レスポンスの速さ
診療中にシステムトラブルが起きた場合、患者さんをお待たせしてしまいます。「問い合わせたら翌営業日に返答」では、現場の緊急度に対応できません。連絡してからどのくらいで対応してもらえるか、事前に確認しておきましょう。
特定メーカーに縛られない中立性
特定のメーカーの代理店を兼ねている場合、そのメーカーの製品を優先して提案される可能性があります。複数の選択肢を比較した上で、クリニックに最適なものを提案してくれる中立性があるかどうかを見極めてください。
まとめ
困ったときに相談できる IT の相談先があれば、トラブルへの不安が減り、診療に集中しやすくなります。院長先生が一人で抱え込む必要はありません。
MSYNCでは、福岡県内の医療機関向けに IT 顧問契約をご用意しています。初回のご相談は無料です。
よくあるご質問
Q.IT顧問は、どんな規模のクリニックにも必要ですか?
すべてのクリニックに必須というわけではありません。ただ、スタッフ数名の規模でも電子カルテ・ネットワーク・ホームページは存在するので、「困ったときの相談先がある」だけで院長先生の負担は大きく変わります。まずは現状の困りごとの整理からで十分です。
Q.今契約している業者との関係はどうなりますか?
既存の業者を置き換えるものではありません。IT 顧問は業者との打ち合わせに同席し、提案内容が妥当かを確認する役割です。既存の契約はそのままで始められます。
Q.遠方のクリニックでも対応できますか?
MSYNC の対応地域は福岡県内です。県内であればご訪問のほか、オンラインでのご相談も承ります。